第4章 彼の家編
夜はそれで終わりではない。
二人は親密に過ごしていたが、週末だから明日までここにいられるのだ。
――やっぱり一緒に彼の部屋で眠るんだよね。
そわそわしながら案内された寝室で荷物を取り出していると、ヴィクトルが扉のそばにいて、こちらを見てることに気づいた。
「あ、ねえねえ。お風呂借りてもいいかな? もちろんヴィクトルのあとでいいんだけど。私時間かかりそうだし」
「自由に使って名無しちゃん。そうだ、一緒に入る?」
「⋯⋯えっ?」
あなたはバッと顔を赤らめて停止する。
そして速攻で首を振った。
「いいよ! 大丈夫だから!」
「そんなに激しく否定しなくても。俺と入るの嫌かい?」
「嫌じゃなくて恥ずかしいよ、全部見えるし⋯!」
控えめに訴えるとヴィクトルは近くに来てあなたの表情を覗いた。
「もう全部見ちゃったけどな。結構自慢のお風呂なんだ。一緒に入ったら楽しそうだなって思ったんだけど。⋯⋯あ、別にスケベ心とかはあんまりないよ?」
若干焦った顔は面白かったけれど、あなたは迷い始める。
「でも⋯⋯お風呂一緒に入ったら、裸に慣れてドキドキしなくなるんじゃないかな⋯⋯ヴィクトルに飽きられたくないよ」
「ええ⋯!?」
感じていた懸念を教えると、今度は彼が驚愕したようだった。
笑われるかと思ったら、何を言ってるんだという眼差しで肩を持たれる。
「そんなことあり得ないよ。俺が君に飽きたりとか、百パーセントないことでしょ。それに慣れないよ、いつも目を奪われてるのに。誰が言ったんだ?」
「いや私⋯」
「そんなの信じちゃだめだからね。いいかい、俺達には当てはまらないんだから」
「本当⋯?」
「うん」
「⋯⋯ならいっか」
ほっとしたあなたは一瞬気が緩んで微笑む。
まだ少し緊張しながらも、一緒にお風呂場に向かった。