第3章 ジムにて
あなたはそう遠くない場所の筋トレマシーンに近づいた。
前に短期的に駅近くのジムに通ったときに、使ったことがある腕専用のものだ。
器具つきの椅子に腰を下ろし、余計な考えを振り払うように無心でやっていた。
すると、違う金髪の若い男性がそばで様子を見ていた。
マッチョで陽気な雰囲気の他の客で、「やあ」と声をかけられる。
「あ、こんにちは」
彼は外国人らしく英語で話しかけてきたため、あなたは一応のマナーとして世間話を始めた。
ここは主要都市の一つなので、仕事や観光の外国人が多いのだ。
「このマシーンはこうやったらもっといいかもしれないね」
「なるほど〜。確かに。ははは」
段々そこまで得意でもない英語にボロが出てきて困る。
「ところで僕は観光で来てるんだけど、君はひとり? よかったら一緒に街を見て回らない?」
「えっ⋯!?」
あなたは慣れないナンパに遭遇し、挙動不審になる。
するとほどなくして、遠くから背の高い黒髪の男が近づいてきた。
あなたの異変に気づき、部下との話を途中で切り上げたヴィクトルだ。