第2章 元彼編
「ヴィクトル、して⋯⋯いっぱい動いていいから」
「えっ⋯? 本当に? 無理しちゃだめだよ」
「ううん、してほしいの、ヴィクトルに抱いてほしい」
ぼうっと赤らむ目元で伝えた。
あなたは彼の背に手を回し、自分から腰を浮かせて衝撃に震える。
「んあぁ⋯っ」
「ああ、こら、動いちゃだめ。俺がするからね?」
彼は背をまっすぐに立てる。美しい腹筋が見えて、徐々に揺らす腰つきがいやらしい。
自分のために、動いてくれている。
「あ、んあ、すき、それすき」
「ふふ。どうしたの名無しちゃん。これが好き?」
「う⋯ん、すきぃ、ヴィクトル、すき」
快感が押し寄せ、あなたはうわ言のように繰り返す。好きと言うと、彼のがびくっと反応する気がした。
全部がすごく気持ちいい。
ずっと気持ちよさしか与えられていない。
「あぁ、もうだめっ」
「ん、イク?」
「⋯うん、いく⋯っ」
「わかった。じゃあ一緒にイこうね」
優しく導かれて、これがセックスなんだと実感する。彼だけが教えてくれるもの。心からそう感じた。
それからは互いに動きを合わせて律動していく。
「あ、あ、いっちゃ⋯⋯ッ」
激しくされたわけではないのに、彼のものが前後するだけで刺激が広がり、快感が連なっていく。
あなたは膣の中をきゅうっとせつなく収縮させて、初めて達することを味わった。
「ん、んん⋯⋯ッ!」
お腹を震わせてイッてる様子は彼にも伝わる。
ずっと引きずられないように耐えて徹していたヴィクトルの肉体にも、とうとう限界がきたようだ。
「っ⋯⋯名無しちゃん、俺もイキそうだ⋯⋯ッ」
そう告げられて、脳内がきらめく。ヴィクトルもイッてくれるんだ。自分の中で。
夢みたいに嬉しさが体内を駆け巡る。