第2章 元彼編
「いれていいよ⋯」
「うん。じゃあ挿れようか。⋯⋯力抜いてね」
彼は下を見ながら慎重に、真面目な顔で試みる。あなたはおっかなびっくりの薄目だが、リラックスを心がけて待った。
すると明らかに大きなものが入ってきて、入り口を広げていく。
「んっ、あぁ」
「⋯⋯ッ、大丈夫、ゆっくりするよ」
指とはやっぱり全く違う。異物感と質量が凄まじい。
「うん⋯⋯んん?⋯⋯名無しちゃん、大丈夫? 先っぽはちゃんと入ったよ」
自分も刺激を受けてるのかやや眉を寄せて、浅く色づいた声でヴィクトルが教えてくれた。
あなたは自然に涙がにじんでしまった。
「本当⋯? もう入ったの⋯?」
「うん入った。ほら、もう半分だ。ああ泣かないで、大丈夫だからね」
「⋯⋯うう、嬉しいよぉ⋯」
あなたは大人の年齢なのに感情があふれてしまった。
あれだけ出来なかったことが、彼に十分ほぐされて安心する雰囲気の中で、もう半分も挿入できたのだ。
感情に押されて彼に抱きつき密着する。
「んっ? おおっ? まって名無しちゃん、」
「ヴィクトルは、大丈夫⋯?」
呼吸を繰り返し、大きな圧迫感に耐えながら尋ねる。
すると彼は薄っすらこめかみに汗がにじんでいたが、にこりと微笑んだ。
「ん⋯⋯? 俺は気持ちいい⋯よ。すごくきついな⋯名無しちゃんの中」
そう明かして照れたように微笑む。
彼はその後、とてもゆっくり大部分が挿入できるまで進んでくれて、馴染むまで動かないでいてくれた。
それがかなり長くても、じっと待ってくれている。
「んあ⋯⋯あぁ⋯⋯」
あなたは浅く息をし、徐々に変化が現れ始める。
両手をつく彼の腰がわずかに前へ揺れてしまったとき、あなたはびくんと下半身を跳ねさせた。
「ああっ!」
「うわっ、ごめんね、大丈夫かい?」
焦った彼は囲んでいた手の片方を外し、あなたの汗ばんだ額の髪をそっと梳いてくれる。
きゅんとして、彼への気持ちが湧き上がってきた。
もうどうなってもいい。どんなふうに激しくされても、愛おしく感じるだろう。
性愛と恋する気持ちのようなものが混ざりあっていく。