第2章 元彼編
どうしてこんなにすぐに、エロティックな気分になるのか、彼が上手いからなのか分からない。
ただ優しい手つきに撫でられて、じっとあの妖艶に絡みつく瞳で見つめられるだけで、体が開いていく。
シャツの胸元がのぞいたヴィクトルは、あなたの服もはだけさせ、耳や首元にちゅっ、ちゅっとキスを落としている。
「んん、あ」
傍らに寝そべった彼がにやりと笑い、また唇を重ねながら、手はあらわになったブラジャーに伸びた。
彼はあなたの胸を優しく揉み、だんだんとブラをずらしていき、じわりと手の方に吸い付かせる。
「んっ」
そうして顔を近づけ、丸く柔らかな乳房の突起を、舌先で舐め始めた。
「あぁ、ん、ん」
彼の舌のなまめかしい動きを見ているだけで、下半身がきゅうっとなる。
あなたは彼の唇も舌も好きだった。もっともっと、体に触れてほしいと思う。
「ねえ、もうほしいよ」
「うん⋯⋯じゃあしようね。名無しちゃん」
ヴィクトルが起き上がり、瞳を柔らかく細めた。
彼の上半身の体つきから、目をそらせない。
肩幅にそって胸板も広いのに、腰はきゅっと引き締まっている逆三角形だ。腹筋は割れていて、かつ肉感的である。
誰が見てもいい体で、こんな美しい男性がいるのかと圧倒されてしまう。
「ふふっ。そんなに見られると照れるな」
「ん⋯だって⋯⋯素敵だから」
あなたがもらすと、彼は上機嫌に笑う。
もっと驚いたのは、目の前で下も脱いで堂々と裸になったことだ。
男性の全裸を見るのは二人目だから、あなたは真っ赤になり瞳を伏せる。
「んん⋯⋯ちょっと待ってね」
優しく言って彼はゴムをつけ始めた。
ちらりと見てしまった彼のものに、あなたは釘付けになる。
大きいし長いし、こんなのは見たことがない。
その存在感に興奮すると同時に、かなり不安にもなってきた。
「ヴィクトル。もし出来なかったらごめんなさい」
「⋯⋯んっ? いやいや、もしうまくいかなかったら、それは俺のせいだからね。名無しちゃんは心配しないで」
頬をあやすように撫でられる。
行為中なのに会話してくれるのが嬉しかった。
彼の思いやりにもう泣きそうになってくる。