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【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】

第2章 旅路





キルアは少しだけ、テティスの方へ体を向ける。

「……なら」

焚き火越しに、真っ直ぐ見る。

「俺が前に出る」

テティスが少し目を見開く。

『なんで?』

「合理的だろ」

即答。

「お前が切れたら、面倒だ」

そう言い切ってから、少しだけ視線を逸らす。

「……あと」

一拍。

「お前、無茶するし…守ってやらなきゃな。」

空気が、少しだけ変わる。

テティスは何も言わない。
けれど、焚き火の光に照らされた表情が、わずかに柔らいだ。

『……キルア』

「ん?」

『あなた、優しいね』

キルアの頬と耳がほんのり朱に染まり、
即座に否定が飛ぶ。

「は?
 勘違いすんな」

『でも――』

テティスは小さく微笑む。

『そういう人ほど、自覚ない』

キルアは舌打ちし、背中を向ける。

「……寝るぞ。
 交代で見張りだ」

『了解』

横になりながら、キルアは思う。

(変なヤツ……)

けれど、この距離感が少し心地いい。

焚き火の音の向こうで、
テティスはそっと水筒の水を揺らす。

その水面に映る月は、静かで――
まだ、何も知らない。


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