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【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】

第5章 自覚と独占欲



夜。

夕暮れ時、野営の準備をしながらも、二人の空気は平行線のままだった。

キルアはぽつりと聞いてしまう。

「……俺、何かしたか」

テティスの手が止まる。

『え?』

「最近……変だろ」

言葉を選びながら。

「俺に、気ぃ遣ってる」

テティスは、一瞬黙る。

嘘はつけない。
でも、全部言う勇気もない。

『……変じゃないよ』

少し間。

『ただ……』

視線を落とす。

『今までと同じじゃ、いられない気がして…』

それだけ。

キルアの胸が、静かに鳴る。

(……同じじゃ、ない)

それは否定じゃない。
拒絶でもない。

変わってしまったという事実。

俺のせいか?
ヒソカに狙われていることについて?
それとも…テティスの気持ち?

考えと不安が頭をグルグルと回るが
キルアは、それ以上踏み込まない。

踏み込んだら、
何かが決定的になる気がしたから。

それを知って、傷付く勇気が無かった。

「……分かった」

短く答える。

「無理すんなよ」

それだけ言って、
焚き火に視線を戻す。

テティスは、その横顔を見る。

(やっぱり……優しい)

でも、その優しさが、今は少しだけ
――苦しい。

二人とも、自分の気持ちを自覚している。
けれど、今の関係性を失うことが怖かった。

だから今は、
ぎこちない日常の中に、
自覚を隠して歩いている。

その均衡が、
次に壊れるのは――
外からの衝撃だと、まだ知らずに。

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