【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】
第5章 自覚と独占欲
(……何だ?)
キルアは、テティスの背中を見つめながら眉を寄せた。
以前の彼女なら、もっと自然に隣を歩いていた。
だが今のテティスは、不自然なほど歩調を早めたり、かと思えば急に速度を落としてこちらの様子を窺ったりしている。
まるで敵を警戒してるような緊張感だ。
(避けてる……わけじゃない)
むしろ逆だ。
気にしてる。
それが、はっきり分かる。
でも、何を?
「……おい」
キルアが声をかけると、テティスの肩が目に見えて跳ねた。
『……な、何?』
「何? じゃねーよ。……お前、さっきから歩き方変だぞ。どっか足でも痛めたか?」
『大丈夫』
テティスは振り返らずに答えた。
その声は、いつも通り凛としているように聞こえるが、わずかに上ずっているのをキルアの耳は逃さない。
(……隠し事が下手すぎる)
キルアは呆れたように息を吐く。