【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】
第5章 自覚と独占欲
夜。
焚き火の前で、
テティスはぽつりと言う。
『……ねえ、キルア』
「何?」
『……私と一緒にいると、あなたまで狙われると思う。』
少し間。
『……もし、私が自分から一人で行くって言ったら、
どうする? 止める?』
キルアは焚き火を見つめたまま、すぐに答えなかった。
彼は「誰かを縛ること」の危うさを、誰よりも知っているからだ。
「……本気で言ってる?」
『……もしもの話』
キルアは深く息を吐き、膝を抱えた。
「……それが理由なら、止めるに決まってんだろ。
お前、自分の価値わかってない。
……ヒソカとかお前を狙う奴が、
またいつ現れるか分かんねーんだよ」
テティスは、少しだけ笑う。
『……そっか』
それだけで、
答えは十分だった。
その夜、テティスは理解する。
自分はもう、
一人に戻れない。
でも、それは不安じゃない。
(この人となら……)
怖さより、
温もりの方が、ずっと勝っている。
キルアが、
世界でいちばん大事な場所に、
静かに座ってしまったことを――
テティスは、
その夜、はっきりと自覚した。