• テキストサイズ

【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】

第4章 道化師の介入



焚き火は小さく、控えめに燃えていた。
必要以上に明るくしないのは、二人とも同じ考えだった。

テティスは外套に包まり、火の向こう側に座っている。
先程の川辺から、ほとんど会話はない。

(……気まずい)

そう思っているのは、きっと自分だけじゃない。

少し離れた場所で、キルアが釣りをしていた。
視線は周囲を警戒しているが、意識の半分はテティスに向いている。

沈黙に耐えきれず、テティスが口を開いた。

『……さっきは、ごめん』

声は小さい。

キルアは一瞬だけ、こちらを見る。

「何が」

素っ気ないが、拒絶ではない。

『私……油断してた
 キルアに、迷惑かけた…』

その言葉に、キルアの眉がわずかに動く。

「違う」

短く言う。

「油断したのは、俺だ」

テティスが顔を上げる。

『……え?』

キルアはルアーを川へ投げ込み、続ける。

「一人にした。それだけ」

責任を、自分の側に引き寄せる言い方だった。

「それに、迷惑なんかじゃない。」

――寧ろ、もっと頼って欲しい


また沈黙。

焚き火がぱち、と弾ける。

テティスは、意を決したように言う。

『……怖かった』

ヒソカことでも、
値踏みする視線のことでもない。

近づかれたことそのものが。
何が起こるかわからない不安が。

キルアは、答えない。
代わりに、少しだけ距離を詰める。

触れない。
だが、遠くもない。

/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp