【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】
第3章 過去
テティスが眠ったあとも、
キルアは動かなかった。
焚き火を見つめながら、考える。
(闇に引きずられた時……)
怖かったのは、敵じゃない。
テティスが、戻ってこないかもしれないこと。
胸の奥が、はっきりと痛む。
(……離れたら)
答えは、もう出ていた。
(無理だ)
理由も、理屈もない。
ただ――
「離れたくない」
それだけ。
キルアは、テティスが目を覚まさないよう、
静かに体勢を整える。
逃げ道は、残したまま。
でも、もう分かっていた。
この温もりを失う未来を、
自分は、選ばない。
闇よりも、
過去よりも――
強く守りたいものが、できてしまった。
そして、それが恋だとは
キルアはまだ知らなかった。