• テキストサイズ

【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】

第2章 旅路




数日後。

街道沿いの小さな町。
補給のために立ち寄っただけだが、二人で歩くのが当たり前になっている。

テティスが屋台の前で足を止める。

『……甘い匂い』

キルアは気づいた。

(腹減ってるな)

「食うか」

即決。

『いいの?』

「金、あるし」

そう言って串焼きを二つ買い、片方を投げる。

テティスは受け取り、少しだけ驚いた顔をしてから――
ゆっくり口に運ぶ。

『……おいしい』

「だろ?」

その横顔を見て、キルアはなぜか安心する。

(ちゃんと、食うようになったな)

最初は、食事も最低限必要な栄養を摂るだけだった。
普段から一緒に食事を取ることで、
食べることに慣れさせた。
今は、こうして味を感じている。

歩きながら、テティスが言う。

『キルアは……一人、長いの?』

キルアは少しだけ考える。

「……まあな」

『寂しくない?』

即答できなかった。

「……慣れてる」

それは本当でもあり、逃げでもあった。

テティスはそれ以上踏み込まない。
代わりに言う。

『私は、一人でも平気』

一拍置いて。

『でも……今は』

キルアを見る。

『キルアと二人の方が、楽しい』

胸の奥が、少しだけきゅっとする。

「……それ、今だけだろ」

『そうかも』

否定しない。

『でも、今は今』

キルアは、笑いそうになるのを堪えた。

(ずるい言い方だな)



/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp