第20章 【九十九】八百比丘尼と呪胎九相図
やはり天元と八百比丘尼は既知の仲だったか。
しかも八重ちゃんの反応と行動、天元の声色と言葉かけ。
それらからかなり親しい関係性であることは明らか。
何故これほどの存在を天元は放置しておく?
天元にとってこの娘は何だってんだ?
九相図は私にしたように(否、それ以上に)天元のことも威嚇で睨めつけてるし。
何故だか皆、彼女への保護が過ぎる。
かく言う私も彼女への興味が尽きない。
そんな考えを頭の隅に追いやり、今は死滅回游に専念する。
天元は知っていることを話す条件として乙骨くん・私・九相図のうち2人がここに残り、天元の護衛をするように進言してきた。
私は天元と話がしたいのでもちろんここに残るつもりだが、その3人の名前をあげたらもう一人は確実に九相図になるだろう。
そう考えていれば予想通り彼が残ることとなり、八重ちゃんは外へと出される。
何やら天元の手の平の上で転がされているようで胸糞が悪い。
ただ何故彼とわざわざ引き離す?
八重ちゃんがいれば都合が悪いのか?
羂索がここに来るというのが尤もらしい理由なのはわかる(羂索とも既知なのだろう)。
ただ、羂索が来れば彼は死ぬかもしれない。
そうすれば八重ちゃんは拠り所をなくすことになる。
そうまでして、何故?
――否、先程の八重ちゃんと天元の関係性から伺うに、天元が八重ちゃんの為にならないことをするとは考えられない。
既にどんな状況でも彼を逃がすという算段が取れているのか――?
そうでなければ、八重ちゃんに「信じて待て」なんて強い言葉は吐けないはずだ。
そういうことなら私も乗ってやらないこともない。
私も八重ちゃんに「信じろ」とだけ言う。
八重ちゃんのひどくショックを受けたような顔と乙骨くんに支えられて去る小さな背中が少し胸にくる。
しかし、きっとこれは彼女にとっても必要な試練になるだろう。
だから
――私を
――私たちを
――何より自分自身を
信じろ