第34章 編入生とイジワル
「いや、俺を心配するとか意味解んないんだけど」
『え?何で?』
「僕、犯人だよ?」
『うーん…犯人?…それなら夏油くんと共犯でしょ?と言うか私と同じ被害者?』
夏油が、ピクリと眉を動かす
「流鏑馬さん、意外に鋭い推理だね」
『す…推理なのかな?あ、別に夏油くんにも怒ってないよ?』
夏油は肩を竦める
「流鏑馬さんさ、怒ることは悪いことじゃないよ?理不尽な事には悟くらい怒っても良い」
紅海は首を傾げる
『う、うん…』
「いや傑!お前も原因だからな!」
五条は納得しかけて、夏油につっこむ
「まぁ、こいつの言ってることは間違えじゃない、怒るなら怒れよ」
『いや、でも、五条くん、苦しそうだったし……』
紅海は当たり前みたいに言う
五条は眉を寄せた
……何なんだ、こいつ
怒らない、根に持たない
自分がされたことより、目の前のイタズラした相手の心配する
それが優しさなのか、そうするのが癖になっているだけなのか
まだよく分からない
ただ…胸の奥が、なんだかむず痒かった
夏油がその五条の横顔を見て、小さく笑う
すると、紅海のポテトを五条が、ひょいっとつまみ、そのまま食べる
『あ…』
またもや、紅海のポテトを、ケチャップをつけて口に運ぶ
ひょい
『あ~っ』
もぐもぐ
『………』
じぃーっと、紅海は見つめる
「何?」
わざとらしく五条は聞く
『いや……』
「何?なんか言いたいこと有る?」
五条はきっと、次こそ文句を言うだろうと思ったが
『……ポテト』
「うん」
『食べた』
「食べたね」
沈黙する紅海
五条は待つ
ほら、「返して」とか
「勝手に取らないで」とか
そういうのを待つ
だが紅海は…
『……美味しかった?』
「……は?」
『そのポテト』
「…………」
夏油が吹き出しそうになる