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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社



『お祖母ちゃんがさぁ』
「ん?」

『何か察してるのか、たまには帰ってこいって言うんだよね』
「……へぇ」

紅海を育てた祖母、流鏑馬浅葱
神主であり、元一級術師

人を見る目はかなり鋭い
事情をすべて話していなくても、何かがおかしいくらいは察しているのだろう

『もちろん、本当のことは言ってないよ?高専宿舎に引っ越したのは、通勤が楽だし、家賃も安いからって説明したし』

「まあ、半分は本当か」
『うん』

硝子は顎に手を当てる
「帰るなら、五条についていって貰ったら良いだろ?」
『うーん……』

返事が鈍い
硝子は即座に察した
面倒くさい方向へ考えている

「……じゃあ、七海に聞いてみな?」
『いやいや、それは、またもや申し訳ないから』

硝子は無言になる
「だから」
『うん?』

「周りを頼れば良いんだよ」
『……』

「何回言わせんの?」
『うん……』

「仮に付き添ってくれたとして
五条だって、七海だって、自分の考えで付き添いしたんだから」
『……うん』

「紅海が勝手に申し訳なくなる問題じゃない」
紅海は苦笑する
『分かってるんだけどねぇ……』

「分かってないから言ってんの!少しは周りを頼ってみな?」
『あう…』

硝子は額を押さえた…本当に面倒くさい
だが、そこが紅海らしいとも思う

『うん……考えてみる』
「考えるだけじゃなくて、実行しろ」

『善処します』
「信用ならないなぁ……」

ぼそりと呟く硝子に紅海が小さく笑った
それから手を振る

『じゃ、そろそろ行ってくるね』
「うん」

診察室を出る
廊下は静かだった

窓から差し込む光が白い床を照らしている
職員室へ戻ろうと歩き出した、その時

前方から、見慣れたスーツ姿…
書類の束だ…

『……あ』
足が止まる
『七海だ……』

思わず声が漏れる…こんな偶然があるのか
さっきまで話題に出ていた本人だ
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