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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第34章 編入生とイジワル



報告書を提出した2人は
高専の校門を出て、待ち合わせた紅海と坂道を下る
夕焼けは、いつの間にか薄紫に変わっていた


「で、何食べる?」
夏油が聞く

「ファミレスで良いだろ?」
即答したのは五条だった

『ファミレス……』
紅海がぽつりと呟く

その声に、五条が横を向いた

「何?嫌?」

『いや…あ、そうじゃなくて!』

少し考える顔
『あんまり行ったことないなぁって』
「は?」
五条が立ち止まる
『……?』
「何?お前、ファミレス入ったことないの?」
腕まで組んでどこか勝ち誇った顔
その顔を見て、夏油が吹き出した

「悟…お前」

「何だよ?なんか言いたそうだなぁ」

夏油の肩が笑いで揺れる
「悟だって、ちょっと前まで入ったこと無かったじゃないか、入学して初めて入って浮かれてるのが駄々漏れてた」

沈黙

五条の動きが止まる
紅海がぱちりと目を瞬く

『え?』

夏油は涼しい顔だ

「基本、おぼっちゃま育ちだったからね…彼
初めてドリンクバーを見た時、目を輝かせてね…スタッフ呼ぶボタンも率先して押してた」

「傑ぅ……」
『そうなの?』
純粋な男の子だなぁと紅海は思う

夏油が変わりに答える
「そうだよ」
『じゃあ、私と一緒だね?ファミレス初心者』
ふにゃりと嬉しそうに笑う

その笑顔に思わず声が出た
「お前と一緒にすんなよ!」

静寂

……しまった!
言った瞬間に思う


紅海が一瞬だけ目を丸くする

その顔に、五条の内心が僅かに焦る
いや、違う…そういう意味じゃない
別に嫌とかじゃなくて…

何だ…何でこんな言い方になった

早く否定しないと…


『あ……ご、ごめん』
先に謝ったのは紅海だった

小さく笑う
『そーだよね、一緒じゃないよね』

その顔を見て、五条の眉がぴくりと動く

まただ、コイツは、また勝手に引く
勝手に自分を下げる
それで丸く治めようとする

何だよ…

「……っ……三か月、先輩だ!」
堂々と胸を張って親指を自分へ向ける
紅海がきょとんとする

『……へ?』
「ファミレス歴!」

『……』
「俺の方が三か月先輩!」

夏油が耐えきれずに吹き出した

「ははっ……!」
「笑うなよ!」

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