第34章 編入生とイジワル
数日後…紅海の出身校への任務が入った
原因となった呪物の回収
百体以上の呪霊を発生させた元凶
補助監督から資料を受け取った夏油が眉を上げる
五条も資料を見る
「ここか」
「ここだね」
実行するのは放課後だ、まだ時間は早い
今は他校の見学と言う名目で入っているので生徒にも教師にも
外部からの入校許可証を持っているので気にする事はない
2人は、生徒の黄色い声を気にもせず校舎をうろうろしていた
「せっかくだしさ?どう?」
校舎を見上げ五条が言った
「流鏑馬ってどんなだったか?って気にならない?」
夏油は視線だけを向ける
「興味本位かい?」
「そう」
即答だった
嘘ではない…少なくとも五条自身はそう思っていた
今まで会ってきた人間と少し違う
媚びてくるわけでもないし、押してくる訳でもない
だからと言って怖がってるわけでもない
怖がってたら、頭の上に消しゴム乗せるか?
他校見学…教師も生徒も振り返る
五条と夏油二人とも目を引く容姿をしているから
女子生徒達の反応は分かりやすかった
「えっ、モデルさんですか!?」
「ん?違うよ」
「彼女とかいるんですか!?」
「さぁ?どう思う?」
「キャー!」
騒がしい
女生徒達の話に苦笑しながら相槌を打ち、適当に軽く話を合わせる
そして、場が和んだ時に何気ない流れで聞いた
「そういえばさ流鏑馬紅海って知ってる?」
女子生徒達の反応が変わる
「あー」
「いたいた」
「転校した子ですよね」
随分軽い反応だった
五条は続きを待つ
「なんかさぁ…ちょっと気味悪かったんだよね」
五条の笑顔が僅かに止まる
だが誰も気付かない
「気味悪い?」
夏油が柔らかく聞く
「だって転校前に変な事件あったじゃないですか」
「あー」
別の女子も頷く
「結構大騒ぎだったよね」
「流鏑馬さん、あの辺から変だったし」
「なんか怖かったよね?一人だけ立ち尽くしてたとか言ってた」
悪意は無かった
本当に、ただの噂話
学生らしい軽さ…
だからこそ質が悪い
五条は黙って聞いていた
別の教室…
「流鏑馬さん?良い子だったよ…何でも引き受けてくれたし」
「ふーん」
「雑用とか頼んでも断らないしね?ノート貸してって言ったら貸してくれるし」
「言い方悪いけど便利だったみたいな?」
隣の生徒が笑い合う