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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第34章 編入生とイジワル


「紅海、頭の上でも乗せときなよ」
『でも…』
見かねた家入がアドバイスする
もちろん、五条は聞こえているのだが

「流鏑馬!何、よそ見してボーッとしてるんだ!悟も起きろ!」
夜蛾に怒られる
『あ、はい!すみません
ごめん、五条くん、コレ、ここ置いとくね?』

頭の上に消しゴム
「何でだよ!」
「悟!静かにしろ!」
少し天然な所がある事が解る


══別の日の任務帰り、紅海と一緒だった

五条はわざと歩幅を速めた
ちょっと置いていくつもりだった
完全に意地悪してみたかった

気付けば追い付いてくるだろ
そう思っていたのに

だが

振り返ると紅海は、いない
随分後ろを歩いていて…

「何してんの?」
『え?あ、戻ってきてくれたんだ?ありがとう』
ふにゃっと笑って五条を見る

「なんでそんな遠いの?マイペース?」
『あ、早足だったから…五条くん急いでるなら
私邪魔かな?って思って…ごめん』

今度こそ言葉を失った

邪魔?誰が?むしろ、コッチが意地悪したんですけど?

「誰もそんなこと言ってないけど?」
『うん』

「じゃあ何で?」
『なんとなく』

理由が解らなかった
寮に帰ったら、夏油がいて難しい本を読んでいる

「お帰り、悟…」
「何?勝手に入んなよ」

夏油は本から五条に視線を移す
「流鏑馬さんを、いたずらに試すのはやめた方がいい」

窓から入る夕陽が長い影を作る
五条は鼻で笑う
「試してないけど」
「試しているよ」
夏油は穏やかに言った

「悟も彼女の態度が気になるんだろ?
だから、流鏑馬さんの本当の気持ちを知りたくて、わざと意地悪してる」

図星だった
だから余計に腹が立つ
「別に」
ドサッとソファに身体を沈め、傑の横に座る
「流鏑馬さんは君が思っているより、人との距離の取り方が分からないだけだ」
五条は黙る

「そんなこと有る?普通、理不尽な事されたら怒るだろ?」
また本に目を落としながら、夏油は柔らかく笑う
「基本、彼女は優しいんだよ…」
ソファの上で悪態をついている五条は考える
「優しいねぇ…」
「そ、優しい上に、傷つきたくないし、傷つけたくない」

「何だよそれ」

夏油は続けた

「押したら下がるし突っつけば謝る…だから悟は、面白くないんだろう?」
面白くない…その表現が妙にしっくり来た
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