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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第33章 宴と写真


紅海は気付いていない
彼女の中では事実を話しているだけだが聞く側は違う
五条だけは黙って写真を見ていた

高専時代…確かに紅海は編入当初、遠慮が凄かった
写真を撮ろうと言えば少し後ろへ下がる

集団行動でも一歩引く…
だから…腹が立って、当時の自分は無理やり肩を組んだことがある

その時の顔を覚えている…びっくりした顔
それから少しだけ嬉しそうな顔

今思えば、あいつは最初からずっとそうだった
自分が、いても良い場所か確認している

「紅海」
五条が言う

『ん?』

「これ誰の誕生日だったか覚えてる?」
紅海は写真を覗き込む

『あー誰だろ?』
少し考える
『確か硝子だったかな?』
「違う」

『傑??』
「違う」

『あれ?』

五条は笑う
「紅海」
『え?』

「お前の誕生日」

沈黙

部屋が静かになる。
『……へ?』
本気で驚いている

「「「えーーっ!?」」」
虎杖が吹き出した
野薔薇も口を押さえ笑いをこらえる

伏黒は目を閉じた
「忘れてたんですか」

『えっ!?私の?』

「お前の」
『ほんとに!?』

五条は写真を指差しいたずらに笑う
「誕生日なのに端っこ行くなよ」

『だって……』
「主役だろ」

『そうだっけ』
「そうだよ」

高専時代
誕生日会をやろうと言い出したのは夏油だった
ケーキを買ってきたのは硝子
仕切っていたのが五条

そして当の本人だけが、部屋の隅に逃げようとしていた
思い出した五条は笑った

「紅海、遠慮しすぎて大変だった」
虎杖が不思議そうに腕を組む
「紅海先生、誰とでも仲良くなるイメージ有るのになぁ」
「確かに…『わー!写真!やったー!』みたいな?」

『野薔薇ちゃん…私をディスってますか?』
紅海は困り顔だ

「まぁ、紅海は、会った頃と比べると、僕らに懐く様になったと思うよ」
『ペットみたいに言わないで!』

根本の優しさや自己犠牲の考えは昔から何も変わらない
そして…
流鏑馬紅海は、自分が愛される側にいる事が少し苦手だった
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