第33章 宴と写真
虎杖が横から覗き込み
「でも俺もちょっと分かるかも」
「どっちによ?」
「なんか好きなシリーズとかテンション上がるんだろ?」
「そう!好きなものを身につけると気分が上がるの!」
野薔薇が勢いよく指を差す
紅海は少し考える
『アニメの推しのキャラを身に付けてるみたいなもの?』
野薔薇は数秒黙った
「うーん…まあ近い」
『なるほど』
「今ので理解したんだ…」
伏黒が呆れる
『うん…あと、ゲームのレアキャラをゲットしたら、パーティーに入れたくなる感じだよね?』
「アニメ、ゲーム基準なんだ…」
その時、隣のリビング側から声が飛んできた
「その理論で言うと僕は限定SSRキャラみたいなものかなー?」
全員が振り返る
ロールカーテンが上がり五条が登場する
サングラス姿で片手にはコンビニの袋
どうやら外出から戻ったばかりらしい
『ゲームの話ししてない!』
野薔薇の一言…即答だった
「悟は課金ガチャで手に入るキャラって感じ」
紅海が言うと、虎杖が乗っかってくる
「課金して強いキャラだったのに、後半もっと強いキャラが普通にガチャで手に入るみたいな?」
「僕泣くよ?」
「でも限定ではないだろ…いつでも出来る方の課金ガチャ」
伏黒が冷静に追撃する
「恵ひどくない?」
野薔薇が笑う
「むしろ取り敢えず課金ガチャしたらバンバン出てきそうじゃない?」
「野薔薇まで!?」
五条は大袈裟に肩を落とした…だが口元は笑っている
紅海はそのやり取りを眺めながら少しだけ懐かしくなる
昔もこんな感じだった
誰かがふざけて誰かが突っ込んで
気付けば話が脱線している
五条がテーブルにコンビニ袋を置く
「で?何の話?」
「紅海ちゃんの女子力について」
野薔薇が即答した
『やめて』
「結論から言うと壊滅的」
『伏黒くんまで!?』
珍しく伏黒が少しだけ笑った
五条は部屋を見回す
そして少し居心地悪そうにしている紅海
「まあでも、紅海らしいじゃん」
『それ褒めてる?』
「褒めてる褒めてる」
適当な返事だったが、その言葉だけは本心だった
それが流鏑馬紅海だ
ブランドも見栄も肩書も…昔から興味がない
だからこそ
自分を五条家でも最強でもなく、ただの五条悟として見ていたのかもしれない、と