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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第33章 宴と写真


そして、後日…
休日の午後
高専宿舎の廊下は珍しく賑やかだった

「おじゃましまーす!」
先頭を切って虎杖が部屋に入る

続いて野薔薇に伏黒

三人は部屋を見回して――しばらく沈黙した

最初に口を開いたのは野薔薇だった
「何か、紅海ちゃんの部屋ってシンプル……」
『そう?』

キッチンでお茶をいれながら紅海は答える

「え?こんなもんじゃないの?」
虎杖は特に違和感がないらしい

「引っ越してきたばっかだからだろ」
伏黒も何気なく言う

すると紅海は少し困ったように笑った
『残念ながら、引っ越し作業は終わってるんだよ……』

三人が固まった
「え?」
「は?」
伏黒まで声を漏らした

部屋をもう一度見回す

テレビ、ソファ、テーブル
必要最低限だ


「マジで?」
虎杖がキッチンに身を乗り出して聞く
『マジです』
伏黒が特級呪霊を見たような驚愕した顔で呟く
「嘘だろ」
『本当です』
紅海が恥ずかしくなって、両手で顔を覆う

「すみませんでした」
虎杖が即座に90度に頭を下げた

伏黒まで少し申し訳なさそうな顔をしている
野薔薇は腕を組んだ
「女子の部屋じゃない!」
なは少し口を尖らせる
『失礼だなぁ』

「ぬいぐるみとか、アクセサリーとか」
『ほぼない』

「観葉植物は?」
『枯らした』

「終わってる」
『なんで!?』

虎杖が笑い出した
伏黒も少しだけ肩を震わせる

野薔薇はため息をつく
「紅海ちゃんもブランド物とか身につければ良いのに」

『いやいや』
紅海は本気で不思議そうな顔をした
『ブランド物って無駄に高いでしょ?』

ソファに座って紅海を見上げる
「そこからなの?」
『だって高いもん…それにロゴの強調が凄いイメージ』

「そりゃあ、高いわよ」
『ほら』
「でも価値があるの!ロゴもそう!」

野薔薇がソファの背もたれを利用し身を乗り出した
完全にスイッチが入った様だ

「ブランドには歴史があるのよ!」
『歴史…?』

「そう!デザイナーの思いや、積み上げてきたイメージとか!ブランドの魅力や世界観!そう言う憧れと思えるブランドを身に纏う多幸感!そして、それぞれブランドのコンセプトとイメージが、なりたい自分と重なり、高まって行く価値感」

『はぁ…?』
「はぁじゃない!」

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