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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第33章 宴と写真



だから…少しずつ悟の孤独が見えてきた
誰も隣に立てない
誰も同じ景色を見られない
それがどれほど寂しいことなのか
自分には全部は分からなかった


傑がいなくなった後
それはもっと分かりやすくなった

暫くすると悟は変わらない
相変わらず笑って軽口を叩く
相変わらず人を振り回すし

なのに、どこか、なにかに追い付こうと必死な気がした

だから自分が隣に立とうと思った
少しでも寂しくないように

一人にならないように
そんなことを考えていた

今思えば随分とおこがましい話だ

最強の男に対して、自分が支えようだなんて
それでも、そう思ったのは本当だったから

まさか本当に隣の部屋に住むことになるとは思わなかったけど
しかもリビングぶち抜き…高校時代の自分が聞いたら卒倒する

そんなことを考えていると

ふいに視線を感じ顔を上げる
向かい側…五条がこちらを見ていた

「何ニヤニヤしてんの?」
『え?』
「思い出し笑い?」
五条は食堂のテーブルに頬杖をついて紅海を見ている
『してた?』
「してた」
即答だった

虎杖たちは既に引っ越しパーティーの話で盛り上がっている

二人だけ少し離れた場所で…
五条は頬杖をついたまま言った

「高専ん時の事、思い出してた?」
紅海が少し驚く
『えっ、なんで分かったの?』

「顔に書いてる」
イタズラな笑顔
『もー!うそ!』

「分かるよ…僕も思い出したからね」
何でもないことのように、あっさりと
懐かしそうに笑った

「桃鉄で暴れ散らかしてた紅海とか」
『あれは物件全買いした悟が悪い』

「RPGで1時間迷子になってた紅海とか」
『恥ずかしいから忘れて…ゲームのグラフィックに、着いていけないとか…』

思わず五条が吹き出す
紅海もつられて笑う

ほんの一瞬だけ高専時代の悟が見えた気がして
紅海は少しだけ安心した

あの頃から何もかも変わった
失ったものもある。
戻らないものもある

それでも自分達は生きている
それだけで十分なのかもしれない
そう思えた
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