第33章 宴と写真
その瞬間だけ三人の表情が変わった
交流会の戦闘…あの時期の空気を、一年たちも覚えている
まさか、こんな身近にもトラブルがあったとは
「でさ、上層部の機嫌損ねちゃってさ」
五条は軽く続ける
「死刑!みたいな雰囲気になったんだよね」
虎杖の顔から笑みが消える
伏黒の眉が僅かに動いた
野薔薇も黙る
「だから僕が監視係になったわけ」
「監視?一日中??」
軽く手を上げて虎杖が質問する
「いや普通に任務の時は一級術師か補助監督付きで出るし
プライベートの範囲が監視対象って感じかな?」
『だから、私は高専内でないと生活できない、の方が正しいかな』
紅海が苦笑し補足する
「なんで?外出すればいいじゃん」
虎杖は純粋に疑問だった
紅海は少しだけ視線を逸らした
『任務以外の外出の度に悟がついてくるでしょ?』
野薔薇が吹き出した
「なにそれ!」
虎杖も笑い始める
「確かに!」
「確かにだわ!」
伏黒だけが静かに言った
「五条先生ならどこまでも着いていきそうだな」
「失礼だなぁ…ちゃんとした、仕事だからね?」
五条は笑う
紅海は額を押さえる
本来なら重い話だ…もっと空気が沈んでもおかしくない
なのに…
「じゃあさ!やっぱ、引っ越しパーティーできるじゃん!」
虎杖が勢いよく立ち上がった
「いや待って!なんでそうなるの?」
紅海は慌てる
「だって」
虎杖は不思議そうに首を傾げた
「外出が、あんまり出来ないんだったら俺たちが行けばいいじゃん」
あまりにも虎杖らしい答えだった
紅海が言葉を失う
野薔薇も腕を組む
「確かにね」
伏黒も否定しない
三人とも、紅海が危険だとは思っていない。
「決まりだな!引っ越しパーティー!」
虎杖が元気よくグッと親指を立てる
紅海は困ったように笑った
その横で五条だけが少し黙っていた
――良かった
三人とも、変わらず接している
「じゃあ、日程調整しよっか?」
『え!?悟が調整するの!?』
笑い声が続く
五条の表情は、ほんの少しだけ穏やかだった。