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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第32章 監視と隣人


薄暗い一室
古い木の匂い 蝋燭にも似た灯り
呪術界上層部の老人達が、静かに座していた
空気は重い…議題は一つだ
流鏑馬紅海

「魂に平安術師の人格…宿儺の欠片の反応」
「危険性は明白だな」
乾いた声が続く…机上には報告書
繁華街での呪力暴走未遂に 一般人への呪力干渉
そして
“人格変異”

「既に本人ではない可能性もある」
「ならば処分を――」

「いや待て」
別の老人が口を挟む
「流鏑馬紅海は東京校教師、一級術師だ…加えて五条悟の同期」
「下手に刺激すれば、あの男がどう動くか…」

誰もが理解している
最強を敵に回す危険性を
別の声
「……しかし逆に考えれば、流鏑馬紅海を握れば、五条悟の弱点になる」
「………こちらの判断によっては、五条悟の身勝手を握れると?」
「ここまで、ヤツが明確に執着しているのは初めてだ」
静かなざわめき
五条悟…誰にも縛られない男が、明らかに一人を特別視している
それ自体が異常だった

会議室の外
廊下の壁に寄り掛かり、 五条悟 はスマホを弄っていた
なるほどね…大体の察しは付いてたけど…
呼び出された理由など、 聞かなくても解る

面倒臭い…実に

ガラリ
障子戸が開く
「五条悟か…入れ」
「はいはーい」

だが、 目隠しの奥は笑っていない

「流鏑馬紅海の処遇だが…」
「本来ならば危険因子のため処刑…もしくは監禁」

「だが結論から言う」
「流鏑馬紅海には監視を付ける」

「単独任務は禁止」
「位置情報の常時共有」
「自宅待機時も監視役を配置…
その他…追って書類を作成させる」

淡々と続く…まるで危険呪物の管理だ

五条は鼻で笑う
「随分厳重だね…」

「当然だ」
「今回、流鏑馬紅海は実際に人格を乗っ取られ暴走した」
「次は一般人被害では済まん…何か反論でも?」

五条は数秒…何も言わない
空気が僅かに張る

一瞬…老人達の背筋が冷える。
この男は、怒鳴らない時の方が危険だ
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