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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第31章 変化と進展



交流戦二日目…表向きは、平穏だった
野球の試合だ
笑い声が聞こえ、ナイッピーと応援する声が聞こえてくる
術師同士とは思えないほど緩い空気

昨日の呪霊乱入による混乱は、まるで「なかったこと」のように…
だが事実として、呪詛師、特級呪霊が侵入し、
高専結界を突破した特級呪霊は保管庫から宿儺の指が奪取した

犠牲者も出ているのだ
交流戦は「無事終了」と報告されたが、
それは呪術界特有の言い換えに過ぎない

問題は、そこではなかった
東京校・医務室
家入硝子が書類を閉じた
「……で?」
視線の先
沈黙して立つのは伊地知潔高
ゴクリと喉が鳴る
「……流鏑馬さんと、連絡が取れません」
硝子が肩をすくめる
「体調不良で自宅療養中だったはずでしょ?」
「はい…昨日までは遊佐補助監督とも連絡が取れていました…
しかし、今朝から、完全に反応がありません」
硝子の表情が変わる…
「紅海んち、浅葱さんの結界してたでしょ?」
「おうちの方へ行ってみましたが…見た感じは異常なしです…侵入痕跡もありません」
つまり自分から消えた?
あるいは痕跡を残さず連れ去られた…鍵をして万全に?

外からの足音が止まる
「……ふーん」

伊地知が振り向き、ビクっと反射する
「五条さん…あの、流鏑馬さんの行方は現在確認中で…」
「家は?」
「部屋は荒らされた形跡なしで…争った痕跡もありません」

五条は数秒考える…そして
「最後に紅海が確認された時間は?」
「昨日の午前11時、夜20時頃…補助監督の遊佐さんが通話したとの事です」
「…あいつ、電話しすぎじゃない?」

「五条…今、それどころじゃないだろ」
硝子のツッコミに五条は無言だ
伊地知は2人を交互に見つつ続ける

「それでですね、昨日も20時に電話したらしいんですが
流鏑馬さんは出られなかったそうで…調子が悪いから出なかったのかなと思ったみたいです」

これは失踪ではない…
何かに“連れていかれた”のではないか

「……五条?」
硝子が呼ぶ

五条は笑った…いつもの顔で

「まぁまぁ…大丈夫でしょ?紅海って強いしね?」

その場にいた全員が理解している
五条が本気で焦っている…
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