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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第30章 呆然と失墜



2人の踏み込みが重なり互いに引かない

――その瞬間
五条が消えた…いや、最短距離へ潜り込んだのだ
紅海の視界から一瞬外れた位置で低く沈んだ姿勢
拳を一直線に繰り出す

呪力強化を乗せたボディブロー
「――ッ」
衝撃が紅海の腹部にめり込む
紅海の身体がくの字に折れ、そのまま地面を離れた
吹き飛び、砂を巻き上げながら数メートル先の川瀬へ弾き飛ばされる
地面を跳ね、水を巻き上げ、転がり、停止

静寂…

モニタールーム
「……終わった?」
釘崎が息を止める
伏黒も言葉を出さずモニターを眺め様子を見る

「今の…」
真希の視線だけがずっと動かなかった

川瀬の側…倒れたままの紅海
五条が軽く息を吐く…
入ったな
確かな手応えだった…ただ直前で加減はした
だが一撃としては十分だ
勝敗が決まった…


日下部がコーヒーを下ろす
「いや、見ろ…」

そう思った瞬間、紅海の指先が僅かに動く
ゆっくりと身体を起こす

「……っ、はぁ……はぁ…危なかった…」
呼吸が荒い…腹を押さえながら立ち上がる

五条の目が険しくなる
「……防いだ?」

紅海が苦笑する
「全ダメージは……無理だったけどね」

直撃の瞬間反射的に呪力を集中防御へ回していた
だが、膝がわずかに震える、ダメージは通っている

モニタールームでは野薔薇が満面の笑みだった
「さすが、紅海ちゃん…やっぱり、紅海ちゃんは強い!」
「立った……?嘘だろ…」
伏黒が低く言う

日下部が頷く
「流鏑馬の真骨頂は攻撃じゃない…呪力操作の精度だ」
パンダが目を丸くする
「今の、見切ってて防御したのか?」

「いや違う直撃スレスレで防御してた」
モニターから目を離さなかった真希が補足する

一同が沈黙…

「普通は間に合わねぇだろうな?自動防御、自動攻撃でなきゃな…そこを反射的に呪力を集中させる精密さ…アレが流鏑馬の戦い方だ」

五条がゆっくり笑う
「まさか、紅海がココまでやれるとはね?」

紅海は息を整えながら答える
「……高専時代よりは成長してるでしょ?」

五条の表情が変わる
「じゃあ…もう少し、本気でいこっか」
紅海が小さく笑った
「最初からそのつもりでって言ったでしょ?」
次の瞬間、再び同時に踏み込んだ
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