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【FF7】ボクシング・デー

第8章 ボクシング・デー


「アグレイス」

低い声が割り込んだ。

指先から力が抜ける。

振り返るまでもない。その声の主を彼女は知っていた。

激しく咳込む後輩を後目に、アグレイスは駆け出す。

「ルード!」

「無事だ」

尋ねる前に簡潔な答えが返される。

「本当に?」

「命に別状はない」

アグレイスは目をつむり噛みしめるように、長く息を吐いた。

「そう、よかったわ」

「よくねえよ!」

立ち上がったまではうまく行ったようだが、足がもつれたのか。壁に体を預けたままのロッドが叫ぶ。

「こんなところで大声を出してはダメよ」

小さな子供を叱るように、しーっと彼女が立てた指をロッドが掴んだ。

「あんたにだけは言われたくねえ」

「ロッド」

またしても割り込むルード。ロッドは身長差生まれたしかたのない上目遣いで先輩を見返す。

「この程度も対処できないのか」

「あー! アンタもそっちの人間かよ!」

「医局ではお静かに」
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