第2章 革命の芽吹き
騒ぎを聞きつけた通学中の他の生徒や新入生達、果てはこの学校の校長や理事長まで出てくるほどに事態が拡大していく。
コートから離れて目視しているため会話は聞こえてこないが、どうやら京介と天馬くんでサッカー部の存続をかけた1対1を行うらしい。
シードという存在がどれほど実力者揃いでエリート集団であるかは今の少年サッカーに関わる人間なら知らないわけがない。
当然勝敗指示やサッカー部への通達は学校側も聞かされているし、特に上層部の人間は学校の存続にさえ関わるため嫌でも耳に入る話だろう。
つまり、理事長達はこのことを理解した上で承認していることになる。
至近距離だったとはいえ、京介のあのボールを取れないということはそのレベルのプレイヤーということになる。少なくとも僕達レベルのシードよりは下だ。
綺麗な制服と下げている鞄で新入生であることは容易に想像できた。
下手をすれば、これからサッカーを始めるであろう未経験者かもしれない。
そんな者に自校のサッカー部の命運を本気でかけようとするなど、よっぽどの物好きだ。
要するに、出来レースである。
「性格わるっ……」
今のサッカーが人の生さえ決めてしまう程の拘束力を持った社会ではこうなってしまうのもやむなしなのかもしれない。
それほどまでに、今のサッカーは凶暴な道具へと成り下がってしまった。
……最も、管理側にいる僕にそう思う権利はないのかもしれない。