第6章 第六話
「「金眼の男?」」
二人は同時に首をひねった。
「そんな変わった眼の男なんて、そうそういないわよね」
「そうですね。一度見たら忘れなさそうですが」
そうですよねぇ…
「その男は何?あなたとはどういう関係なの?」
「どういう関係といわれると困りますが、…他人です」
「「は??」」
二人は再び首をひねった。
うまく説明できないよー。
どこまで言っていいのかもわからないし、…こんな、今あったばかりの人に。
「なんかわけありなのね」
私の様子を見て、ハリーナ様はうなずいて見せた。
聞かれなくてよかった。
「よし…わかったわ。セカ。あなた、金眼の男を探してくれる?」
「…ハリーナ様のご命令とあらば」
「え?え?いいんですか?」
ハリーナ様の言葉に、セカは頭を下げた。
私は思わず驚きの声を上げる。
「それがあなたの望みなのでしょう?
ならアルザラード家の威信にかけてかなえないといけないわ」
そう言ったお嬢様の顔はキラキラと輝いていた。
「あ…!ありがとうございます!!ありがとうございます!私一人じゃ限界を感じていたんです!!」
こうして、セカが金眼の男を探してくれることになった。
…と思ったのだが。
「あの、セカ、様?なぜにここにいるんですか?」
ハリーナ様が帰った後も、セカは帰らずにお店にいた。
「ちゃんと、町にいる部下たちに情報は集めさせている。
それと、様はいい。なんか、お前がつけると違和感がある」
「え?セカでいいんですか?じゃあ、お言葉に甘えて…」
なんか身分の高そうな方なのに、いいのかな?と思いつつ呼んでみた。思った以上にしっくりきた。
今まで生きてきて、呼び捨てで呼んだ人なんて、片手で数え切れるくらいしかいなかったけど…。
「お前、いや、シアンはいくつなんだ?」
「17ですが」
「は?冗談は休み休み言え。さすがに10代前半だろう」
「17ですが」
「…嘘じゃないのか。東方の人間は年齢がわからん」
たしかに、もとの世界でも私は童顔だったけど…こちらの彫りの深い皆様からしたら、きっともっと若く見えるんだろうな。
「…あの。セカはいくつなんですか?」
「俺は24だ」
「ほぉ」
うんまあ年相応ですね。
「…ハリーナ様が。お前の心配をしててな。最近強盗なんかもあったから」
「強盗!!!」