第1章 マグル好きのお嬢様
「なあ、ハーヴィン。次は何処に行くんだっけか?」
「次は、杖を買うのでオリバンダーの店ですね。さあ行きましょう!」
ルーアを引っ張るようにしてハーヴィンが進み出す。あっという間にオリバンダーの店についた。
「いらっしゃいませ」
待ち構えていたかのように、老人の声が2人を出迎えた。
「君は……」
老人__オリバンダーはルーアを見て目を細め、何かを懐かしむような顔をした。
「そうじゃとも、そうじゃとも。もう時期来ると、いらっしゃると思っていましたよ、ルーア・エイベルさん。君の目はお母さんに似て綺麗じゃ。髪はお父さん譲りかね?」
なんと! オリバンダーは、ルーアのことを既に知っていた!!
「君のお母さんとお父さんがこの店に来た日のことが昨日のことのようじゃ。確か__お母さんはクリとユニコーンのたてがみでできていて、31センチのよくしなる杖じゃった。クリは魔法動物の調教者などにも惹かれる兆候があるからあの子にぴったりじゃったよ」
ルーアは自身の母親のことを全く知らない。何故なら、ルーアを産んだその日に亡くなったからだ。知っているのは、レオナという名前ぐらいだ。
「お父さんは、36センチでしなやかだが頑丈。イチイとドラゴンの心臓の琴線でできておった。」
オリバンダーは、ルーアにじわじわと近づいて来ていた。気味悪く銀色に光る目がルーアには少し怖く感じた。
「さて、それではエイベルさん。拝見しましょうか」