第2章 encounter
ガチャリ、と玄関の扉が開く音がした。2人、部屋には2人すでにいる。ルーアとハーヴィンが。
この家に帰ってくるもう一人の人物などあと一人しかいないだろう。ルイス、其の人だ。
「戻った。久しぶりだな、ハーヴィン」
「は、はいっ! お久しぶりです。お疲れでしょう、お部屋に戻って__」
「そうしたいが、まずルーア、私と来なさい」
随分と身勝手な行動の仕方に、ルーアは半ば諦めのため息をつきながら、食事の席を立った。
「わかりました。ハーヴィン、済まない。食事は戻ってからいただくよ」
「は、はい。わかりました。」
ハーヴィンは、ルーアの珍しい敬語と、いきなり帰ってきたルイスに目を丸くしながら返事をした。
「来い」
ルイスの冷たい声に、ルーアは返事もせず、無言でついて行く。
「入れ」
「……失礼、します」
初めて入る父親の部屋に内心ワクワクしながらも、ルーアは大人しく立っていた。
「明日、だったよな。ホグワーツの入学は」
「はい、そうです」
「暫く会えないだろうから、お前に話しておかなくてはならない事があるんだ」
物々しい雰囲気に気圧され、ルーアは口を震わせた。