• テキストサイズ

ハリー・ポッターと調教師見習い

第1章 マグル好きのお嬢様


「ではまずマダム・マルキンの洋装店に行きましょう。すぐ、あっという間に済みますので」

 ハーヴィンの言葉に軽く頷いて、ルーアは歩き始めた。

 ルーアは、暇があればダイアゴン横丁に来ていたため、誰の案内がなくとも回ることができた。彼女にとってここは、最早庭のようなものだ。

 今回も、何のためらいもなく、マダム・マルキンの洋装店につくことができた。

「こんにちは、お嬢ちゃん。ホグワーツなの?」

 藤色の服を着た、愛想の良さそうな魔女が話しかけてくる。

「全部ここで揃いますよ。さて、こちらへ」

 店の奥の方の踏み台の上に立たされ、藤色の服の魔女__マダム・マルキンが、頭から長いローブを着せかけ、丈を合わせてピンで留め始める。

「ルーア様、向こうでなにか見てきますね」
「何かってなんだよ。っておい! ハーヴィン!!」

 ルーアが声荒げ、ハーヴィンの名を叫んだときには、もう姿が見えなくなっていた。

✧  ✧  ✧

「さあ、終わりましたよ」

 暫くしてマダム・マルキンが、ルーアに声をかけた。ルーアは軽く頭を下げ、店を出ると、ハーヴィンが店の前で待っている。

「お前、何処行ってたんだよ」
「グリンゴッツに行っておりました」
「ああ、銀行に。全く、一言言えよ」
「あまり大きな声で会話する内容ではないので」

 ハーヴィンはそういう所あっさりしているよなあ、とルーアが呟くと、ハーヴィンは少しばかり困ったような表情を見せた。
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp