第1章 マグル好きのお嬢様
「頭痛え……」
ハーヴィンの言葉に不貞腐れてそのまま眠りこけたルーアは目を覚ました。が、その途端酷い頭痛に顔を歪めた。
こんな頭痛感じたことがない……! そう考えながらルーアは重い体を無理やり起こし、リビングへ向かった。
「あ、ルーア様……お加減は如何ですか?」
「大丈夫。あー……ちっとばかし頭が痛いな」
「だ、大丈夫なんですか!?」
ハーヴィンと一緒にいると安心するのか、ルーアは自室にいた時よりも少し柔らかい顔をしている。
「そういえばルーア様、そろそろホグワーツへの入学が近づいているので準備をしてくださいね」
「面倒くさいな。ハーヴィン、代わりにしてくれ」
「わ、わかりました……」
先程のことがあってか、ハーヴィンは何も言わずに了承した。ルーアに少しばかり罪悪感が芽生えたが、彼女は気の所為だと、ハーヴィンから目を逸らした。
「ルーア様、教科書類は買っておりますが、お洋服の採寸と購入、杖はまだでしたよね。明日にでも行きませんか?」
「ああ、そうだったな。じゃあ明日行こうか」
早い段階で教科書などの諸々は買っていたが、制服と杖はまだだった。
眠くて動かなかった頭が回転しだす。ああ、明日が楽しみだ。