• テキストサイズ

ハリー・ポッターと調教師見習い

第1章 マグル好きのお嬢様


「連絡もよこさず勝手に来るなんて、いいご身分だよな、お前」
「当たり前だろう。僕は__」
「ああ、いいいい。どうでもいい。本当、日ごろから悪口やら皮肉やら行ってる奴には、皮肉が通じないのか」

 いつも通りの家柄自慢が始まりそうになった所で、ルーアはわざとらしく耳を塞いだ。

 こいつの話はいつも長引く。聞いているだけ無駄だ。そう考えたルーアは、ドラコの話を一ミリも聞く素振りを見せない。

「本当、君は可愛くないなあ」
「残念。ドラコ、お前に可愛いと思われても何の得にもなんないから大丈夫」

 マルフォイ家当主であるルシウス・マルフォイと、エイベル家当主ルイス・エイベルは、学生時代からの付き合いだという。それ故、ドラコとルーアの2人は思い出せないくらい昔から付き合いがある。

 だが、付き合いがると言っても仲が良いというわけではない。犬猿の仲という程ではないが、明らかに親しい仲とは形容できないだろう。

「そんな性格だから友達がいないんじゃないのかい?」
「え、お前って友達じゃないの?」
「なっ」

 ルーアはドラコのことを好いてはいない。特別な感情など以ての外だろう。だが、信頼はしていた。何か会ったときに、気兼ねなく相談できる程には。

「んで、何の用なんだ? いきなり家に来て。ママに礼儀を習わなかったのか〜?」
「ああ、忘れていたよ。入学の日だけど、この僕と一緒にいかないかい? 僕と一緒にいたほうが嬉しいだろう?」
「却下」

 ルーアにとって、ドラコの厭味ったらしい態度と口調が鼻につく。だから2人で行動するなど考えてもいなかった。

「私、ちゃんと友人を作りたいから。お前と一緒にいるとキチガイ野郎だと思われる」
「は? 何を言って__」
「わかったら帰れって。お前と一緒に行きたいわけ無いだろ」

 完全なる拒絶。ルーアは殆ど感情のこもっていない瞳で、ドラコを追い返そうとした。
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp