第28章 わたしにできること
「わたしプログラミング部に入ることにしたよ」
帰り道、私は逢坂くんに話す。
「プログラミング? うちにそんな部活あったんだ。何するの?」
逢坂くんが首を傾げる。私は説明する。
「活動は自分のやりたいこと自由にやればいいって部長が言ってくれた。
わたしはとりあえずRPG作るつもり。
家にパソコンあるなら部室には来たい時だけ来たらいいって。
あ、部長はB組の明神って人」
「あぁ、全国模試1位の人か」
逢坂くんが納得したように頷く。
「え? 逢坂くん知ってるの?
そういえば、数学得意だから教えてあげてもいいって言ってたけど…。そんなに頭いい人に教えてもらうの気がひけるね。
わたしは逢坂くんに教えてもらう方がいいな」
私は逢坂くんの顔を見てにっこり笑う。
「…うん。なんとなく引っかかるけど、頼りにされて嬉しいよ」
逢坂くんもにっこり微笑み返す。
「でもやっぱり男子が多いのかな? そういう部活って」
逢坂くんが私に尋ねる。
やっぱりそこ気になる?
「ううん。男子は明神くん一人だけだよ」
私は事実を答える。
「ふーん。いいんじゃない? プログラミング部。頑張ってね」
「うん! ありがとう」