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逢坂くんの彼女

第28章 わたしにできること


翌朝。

「あの…昨日ごめんね」

私はいつもの公園で逢坂くんに謝る。

「いいよ。おかげで如月と友達になったから」

逢坂くんが本当なのか冗談なのか嫌味なのかわからないことを言う。

「……」

「昨日…話しそこねたんだけどさ…」

気まずくて黙ってる私に逢坂くんが口を開く。

「僕は小説より何よりも君のことが大事だよ。君がいるから僕は小説が書ける訳だし…。
だから…僕が書いている小説は君のものでもあるんだよ。
だから…今まで通り、僕の小説にアドバイスくれたり…協力してくれると有難いんだけどな。一緒に…ね」

「うん…。ありがとう」

逢坂くんの優しさが身に染みる。

背伸びしないで自分に出来ることをやろう…。



「おはよー」

教室で隣の席の北城くんに挨拶する。

「おはよ…ん? オマエ、目赤くね? ゲームのやり過ぎかよ」

北城くんが私の顔を見て言う。

そうですね。ストレス解消に泣きながらゲームやり過ぎました。

「こないだ北城くんに教えてもらった中古屋さんで買った格闘ゲーム、だいぶ上手くなったよ。今度ゲーセンで対決しようよ!」

テンション上げて私は答える。

「おっ! 生意気な。オレに勝負を挑むなんて100万年早いっつーの」

小学生か。

「ねぇ、北城くんて…これがあるから生きていけるっていうものある?」

「は? 水とか空気とかか?」

小学生だ。

「じゃなくて…生きがい…みたいな?」

「は? 何ダルイこと言ってんだよ、オマエ。理屈っぽいヤツと付き合ってるから、理屈っぽくなったんじゃねーの?」

あぁ…それはあるかもなぁ…。
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