第27章 期末
「逢坂くんのノート綺麗にまとまってるね…。
同じ先生に教わっているはずなのに、なんかわたしのと違う…。
あ!わたしのノート、ここの現代語訳抜けてる…。
写させてもらっていい?」
「うん、いいよ」
私は逢坂くんのノートを写す。
字も綺麗で読みやすいな…。
私も真面目に勉強してるつもりだったのに、テスト直前まで現代語訳が抜けてるのに気がつかないなんて、はぁ…。
逢坂くんは勉強出来るし、かっこいいし、優しいし…。
それに比べて私は勉強出来ないし、だからってスポーツが得意ってわけでもなく…。
逢坂くんは私の何が良くて私と付き合ってくれてるのかな…。
見た目も言うほどたいしたことないし、性格も微妙…。
なんでかなぁ。なんでなのかなぁ。
チラッと彼の様子を盗み見てみる。
真面目に勉強してる…。
それに比べて私はくだらないこと考えすぎ…。
逢坂くんがノートにサラサラと書く文字…綺麗だし、指も綺麗…。
あぁ、あの指で…あんなことされたり…。
ああもう邪念が!
ただでさえバカなのに余計にバカだ。
とりあえず邪念を払うつもりで机にバッと顔を伏せる。
……。