第27章 期末
逢坂くんの部屋でテスト勉強を始める。
「明日は…古文と化学だね。ノートは持ってきた?」
彼が私に尋ねる。
気を取り直して頑張ろう。
私はテンション上げて答える。
「うん、持ってきたよ。わたし、古文は比較的得意なの。一ノ瀬先生のこと好きだし」
「え!す、好き!?」
逢坂くんがなんかアタフタしてる。
私はあわてて弁解する。
「え?あ、あの先生として、ね。担任だし、優しいし…。
まあ、でも一ノ瀬先生は女子に人気あるよね」
単なる女子のミーハートークだよ、というのを強調してみる。
「あぁ…。後、真山先生とか…向井先生とか保健室の若桜先生とか?」
彼がちょっとホッとした感じで話にのってくる。
私も安心してその話を続ける。
「あれ、逢坂くん意外と女子の噂話に詳しいね?
まあでもその中だったら、やっぱりわたしは一ノ瀬先生だな〜」
私は逢坂くんの様子をチラチラ伺いながら話す。
「なるほど…。まあ、その中なら一ノ瀬先生が一番僕にキャラが近いかな…。
一ノ瀬先生なら生徒に手を出すようなことはしないだろうし…。僕も部活で顔を合わすし…。
念のためにゆめちゃんと交際していることを話しておくか…」
彼が真剣な顔でつぶやく。
逢坂くんてたまにマジな顔して冗談言うんだよね。面白い。
「何それ、ウケる」
「そう?ふふ…」
私のツッコミに彼は満足気に微笑んだ。
…