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逢坂くんの彼女

第27章 期末


「あ、あれ?寝てた…?」

私は自分が机に突っ伏して寝ていたことに気付いた。

「目、覚めた?おはよう」

逢坂くんがにっこり笑って私に声をかけてくれる。

「え…今何時…?もうこんな時間…」

ろくに勉強しないで、ずっと居眠りしてた…。

「昨夜、遅くまで勉強してたみたいだから疲れてるんだね。
これ、訳が抜けてる所、僕が写しておいたから家に帰って読んでおいてね」

彼が私のノートを手渡してくれる。

「あ…ありがとう…」

つくづく私はバカだなぁ…情けない…。

私はガックリする。

「どうしたの?ゆめちゃん。まだ時間あるからわからないことがあったら聞くよ?」

彼が優しく聞いてくれる。

わからないこと…。

「……逢坂くんは、わたしのどこが好きなの?」

半寝ぼけのせいか変なことを口走ってしまった…どうしよう…。

ドン引きだよね…勉強しに来たのに私は何言ってるんだろ…消えたい…。

……。

彼が私のことをふわっと抱きしめる。

「全部だよ。そんなこともわからないの?ふふ…かわいいね」

耳元で彼の声がささやく。

全部……。

彼が私の頬を持ち上げ、キスする。

私は彼の舌が私の口の中を撫でまわすのを感じる。

……。

…全部とゼロって、全然違うのに似てる。

ひとつでいいから私のいいところ…言ってくれたらなぁ。

贅沢だなぁ…と我ながら思う。

でも……。

彼が唇をそっと離す。

「わかった?」

私の顔を見て彼は優しく言う。

私もにっこり笑って頷く。

「うん」

私のどこがいいのかはわからないけど…彼が私のこと好きでいてくれてるっていうのはわかる。

「いい子だね…よしよし」

彼が私の髪を撫でる。

私は彼の肩にもたれてその感触にうっとりする。

私も逢坂くんのことが好き。

かっこよくて、優しくて、頭が良くて……

逢坂くんだから。好き。


fin
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