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【進撃の巨人】救世の翼【加筆修正完了】

第3章 反逆の刃を空にかざす


「イアン、お主が部隊の指揮を取れ。現場の判断は全て委ねよう」


「え…私がですか?私より、グレース副兵士長の方が…」


「私は指揮に向いていないから君の方が良い」


「異論は無いよ」


「俺もだ」



私を含めた三人は賛同するが、イアンはしかしと続ける。

この重要な場面において、自分の力量では無理だと思っているのだろう。



「案ずるな。お主は酒の味が分かる」



いきなりそう言われたイアンは戸惑う。
私も正直何を言っているのかわからなかった。



「美酒も悪酒もどちらの味もの…任せたぞ!」



イアンは深く追及しないことを決めたのか、再度敬礼をした。


司令との話も終わり、私たちはエレン達を迎えに3人で向かった。


着いた時にはエレンの怒った声が聞こえ、近くにいたミカサは少し落ち込んだ様子に見えた。



(人類の命運をかけた戦いの前に、喧嘩をしていたのか…)



若干呆れながらも、作戦実行の時間になったと言った。
エレンは先ほどまでの怒りの顔を隠し、緊張した面構えをしていた。



「ミカサも、エレンを守る精鋭班に入って。君の腕が必要だ」


「は、はいッ」



そう言った瞬間、顔を明るくさせたミカサ。

エレンと一緒に行動できることが嬉しいらしい。


班長のイアンが「作戦開始だ」と告げ、私たちは目的地に向かって走る。



「極秘人間兵器とか言ってたが、穴を塞げるなら何でもいい!お前を最優先で守る!頼んだぞ!」


「はい!」


「エレン!体は大丈夫?」


「ああ!」


「エレン!」

ミカサの呼び声に、エレンは少しうざそうに顔を向ける。

そろそろ別の場所でやってほしいのだが…。


隣で走っていたリコを見ると、怪訝そうな顔をしていた。



「だから大丈夫だって!囲まれてた時より大分マシになった!」



リコはさっきの司令との会話を聞いている限り、自分の意見をはっきり言う気の強そうな女性に見える。

そう思っていると、エレンとミカサの間にリコが割り込む。

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