第3章 反逆の刃を空にかざす
「とても優秀な兵士だと聞いている。私も君の戦いを見て、新兵とは思えないほどの実力の持ち主だと実感した。
共に、この作戦を成功させよう」
ミカサは短く息を吸い、力強く答えた。
その瞳には、静かな炎が宿っていた。
隣にいるアルミンにも顔を向ける。
「君のおかげで、無事にここまで来れた。これからも、頼んだ」
アルミンもまた、迷いのない声で答えた。
その表情には、少年らしい不安の影がありながらも、確かに希望の光が差していた。
そして私は小さく頷いた。
──この二人がいる限り、人類はまだ、終わらない。
そして私たちは、司令が呼んだ参謀達と共に、作戦会議の席についていた。
重い空気が部屋を包み、誰もが次に発せられる言葉を待っている。
「巨人と戦う必要が無い?」
若い兵士の声が静寂を破った。
誰もが驚いたようにそちらを向く。
発言したのはアルミンだった。
彼の手は緊張で震えていたが、瞳だけは真っ直ぐ前を向いている。
「す、すみません。一介の訓練兵が口を挟んでしまって…」
「構わん。話を続けたまえ」
「自信を持って発言して大丈夫だ」
私の言葉にアルミンは小さく息を整え、唇を結んだ。
その目には、確かな覚悟が宿っている。
「巨人は通常より多数の人間に反応して迫ってきます。
それを利用して壁際に集める事が出来れば、大部分は巨人と接触せずにエレンから遠ざける事が出来ます」
参謀たちの間に、静かなざわめきが起きた。
アルミンの声は最初こそ震えていたが、次第に落ち着き、言葉に力が宿っていく。
「誘き寄せた巨人達は、後で大砲を利用して損害を出さずに倒すことができる。
ただ、エレンを無防備にする訳にはいきません。だから、少数精鋭の班で守ることになります」
私は腕を組みながら聞いていた。
よく考えられている。
訓練兵とは思えないほど冷静で、理にかなっていた。
「それに、穴から入ってくる巨人との戦闘も避けられません。
そこは、精鋭班の技量にかかっています」
アルミンの話を聞いた兵士の一人が、真剣な顔で頷いた。