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【進撃の巨人】救世の翼【加筆修正完了】

第3章 反逆の刃を空にかざす


胸の奥に熱い決意が湧き上がる。手に汗がにじみ、呼吸は早まる。


目の前の現実は恐ろしいほど危険だが、
それでも逃げずに立たねばならない。



「調査兵団の一員として、私はここで君を失うわけにはいかない。
私の意見を踏まえた上で、君の二つ目の案を聞かせてくれ」



言葉は落ち着いているが、瞳の奥には覚悟と鋭い意志が光っている。

私の背筋が自然に伸びるのを感じた。



「…はい」



エレンは一息つき、覚悟を決めた様子で言う。

その視線の先に、アルミンがいることに私は気付く。



「アルミン、後はお前の判断に任せる」

「…え?」



突然の言葉に、アルミンは一瞬呆然とし、目を見開く。

恐らく、彼が考えている二つ目の方法とは——。



「俺だって今の話が現実性を欠いている事は分かってる。

まず、一つ目の考えは副兵士長に反対されると薄々思っていました…。


この巨人の力は兵団の元で計画的に機能させる方が一番有効的なハズなんだ!」



エレンの言葉に、私も心の中で頷く。

確かに、この場で無計画に力を行使すれば、さらに混乱を招くだけだ。


だが、今の状況では慎重にならざるを得ない。

だからこそ、説得すべき人物が必要なのだ。


胸の奥で微かに、だが確実に緊張が高まる。

目の前のアルミンにかかる重責を、
彼自身がまだどこまで理解しているのか分からない。



「無茶を言うが…アルミンがもしここで俺は脅威じゃないって駐屯兵団を説得出来ると言うなら、
俺はお前の指示に従う!これが二つ目の考えだ」



小型巨人たちを倒すために見事なアイディアを出したアルミン。


その頭脳は確かに、エルヴィンを思わせる冷静さと機転に満ちている。

胸の奥で、私はアルミンならやり遂げられるかもしれないと、密かに希望を灯す。



「お前が出来ないと言えば、さっきの最終手段に出る!15秒以内に決めてくれ。出来るか出来ないか俺はどっちでもお前の意見を尊重する!」


「エレン…どうして僕にそんな決断を託すの?」



アルミンの声はかすかに震えている。責任の重さに押し潰されそうな表情だ。



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