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【進撃の巨人】救世の翼【加筆修正完了】

第2章 絶望の果てに灯るもの


巨人を倒した瞬間、後ろから新兵の悲鳴が破裂するように響いた。



振り返ると、ガスが切れて立体機動が効かなくなった新兵が、
必死に迫る巨人から逃げ惑っている。





別の新兵が飛んで助けに行こうとしたが、その瞬間、巨人の手がその腕を掴んだ。




「もう無理だ!」





捕まった新兵は嗚咽を漏らしながら首を横に振り、目には恐怖が張り付いている。



助けに行こうとした者も、声を止める仲間の声を無視して突っ込んだ結果、巨人の手に捕まり、絶望に沈む。

私たちはただ、彼らの泣き叫ぶ声を耳にしながら、身動きできずに立ち尽くすしかなかった。





「その手を離せ!」





私は咄嗟にアンカーを巨人の手に叩き込み、刹那の隙に剣を振り下ろす。


鉄が肉を切る鈍い音が響き、巨人の手は断たれ、捕まっていた新兵は放たれた。




大きく放り出されたその体を、私は反射的に抱え上げ、
屋根の上に引き上げた。





その子は恐怖のあまり意識を失い、体を震わせながら失禁している。


初陣でこれほどの絶望を味わうとは——心が痛む。





「今のうちに本部に突っ込め!」





そんな声が聞こえる。

先導する新兵が走り出すと、驚きつつも他の新兵たちも続く。



「全員で突っ込め!」




私は覚悟を決め、立体機動に移る。


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