第4章 剣技
「俺も混ぜてくれよ」
永倉が腕をぐるぐると回し、にやりと笑った。
「面白そうだな。こりゃ見過ごせねぇ」
原田が豪快に笑い、腰に差した木刀を叩く。
藤堂は雪村のそばへ駆け寄り、心配そうに覗き込んだ。
「千鶴、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。もう少し頑張れます!」
頬を紅潮させながらも、雪村は気丈に返した。
霧島は一歩下がり、周囲を見渡して穏やかに声をかける。
「では……少し組み手でもやりますか。順番にいきましょう」
「順番?なら俺が先だ!」
永倉が豪快に笑い、木刀を正眼に構えた。
「霧島、お前の腕を確かめてやる!」
雪村は慌てて霧島の背へと下がる。
霧島は苦笑しつつ、木刀を構え直した。
「加減をお願いしますよ、永倉さん」
「おう、もちろん――三割くらいはな!」
永倉の大きな足音が砂利を打ち、次の瞬間、豪快な踏み込みとともに木刀が唸りを上げて斜めに振り下ろされる。
霧島は身をひねって受け流し、返す刀で脇を狙う。
カァン、と鈍く乾いた音が庭に響いた。
「おぉ、悪くねぇな。じゃあ次はこれだ!」
永倉はさらに踏み込み、突きを繰り出す。
霧島は後ろ足で砂利を滑らせ、紙一重でかわす。
その動きを見て原田が満足げに頷いた。
「やるじゃねぇか、霧島。腕は確かだな」
藤堂も目を輝かせ、声を上げる。
「すげぇ、霧島!新ぱっつぁんの速さについていってる!」
永倉が笑いながら一歩退き、木刀を肩に担いだ。
「よし、今のは俺の負けだ。いい動きだな」
霧島は礼をとる。
「ありがとうございます」
その後、藤堂がすぐ前に躍り出て、勢いよく木刀を構えた。
「次は俺の番だな!」
原田が砂利を踏み鳴らしながら笑う。
「おう、俺はその次にやらせてもらうぜ」
中庭の空気は一層熱を帯び、木刀を握る手に新たな緊張が宿る――。