第3章 プライベートアイ
あの日の出来事から私は、とにかく降谷さんを避けまくり、なんとか表向きの所属である捜査一課に戻っていた。
「はぁぁぁっ……」
「高木さん?どうされたんですか?そんなに深いため息をついて」
「華守さん、おはようございます!……実は、佐藤さんの誕生日プレゼントで悩んでて……」
「あっ!そうでした、来月ですよね、美和子の誕生日。でもきっと、大好きな高木さんからのプレゼントなら、何を貰っても嬉しいと思いますよ?」
「そ、そうかなぁ……///」
照れる高木さんを見て、思わず微笑んでしまう。
美和子と高木さんは、本当にお似合いのふたり。
陣平くんが亡くなった後、心配していたけど……今はもう、高木さんが隣にいる。
だから、彼女はきっと大丈夫だと思う。
「高木!華守!車両火災の通報が入った!現場に急行するぞ!」
「「了解しました!目暮警部!」」
現場に着くと、いつものように“なぜか”そこにいる江戸川コナンくんと、毛利探偵、それに娘の蘭ちゃんの姿があった。
どうやら、亡くなったのは毛利探偵の友人・伴場頼太さんの婚約者らしい。
「遺体は黒焦げで、まだ身元確認中ですが……歯の治療痕などから、おそらく車の持ち主・加門初音さんで間違いないかと」
高木さんの報告が入る。
結婚パーティーの最中、花嫁が黒焦げになって亡くなる…同じ女性として、やりきれない気持ちになる。
「うむ……車が燃える直前、“死にたい”といった電話があったというのは本当かね?」
「ええ……間違いありません」
“自殺”?
幸せの絶頂にいるはずの彼女が、なぜ……?
しばらくすると、千葉さんが現場トランクから、大きな旅行用スーツケースを発見した。
どうやらハネムーンの荷物だったらしいと毛利探偵からきいた。
「ですが毛利探偵、そんな幸せそうな初音さんが自殺なんて……」
「おぉ!今日は陽菜さんもおられましたか!これはこれは!」
いつも私が、現場にいると妙にデレデレしながら挨拶してくる毛利探偵。
なぜか私が来ると毎回これなのだ……。
「詳しくはわかりませんが……マリッジブルーってやつかもしれませんなぁ」