第4章 立候補
興奮する蘭ちゃんの横で、毛利探偵が立ち上がる。
「んじゃあ、俺たちは帰るとすっか。行くぞ、お前ら」
「あ!ちょっとお父さん!……もうっ。じゃあ、陽菜さん、安室さん、また!ごちそうさまでした!」
「はい。またいらしてください。蘭さんなら、サービスしますので」
安室さんが口元に指を添えて、軽くウィンク。
「コナンくんもまたおいで」
「ありがとう、安室さん!陽菜さんも、またね!」
「うん。あんまり危ない事件に首突っ込んだらダメだよ、コナンくん」
「はぁ〜い」
よしよし、とコナンくんの頭を撫でて3人を見送る。
ドアが閉まったその瞬間、私はカウンターの向こうにいる彼を避けるように、レジへと進む。
「ご馳走でした。美味しかったです、お会計お願いします」
「あ、陽菜さん、あと15分まって頂けませんか?今日はこれで終わりなので送らせてください」
それだけ言うと、降谷さんは再び私を座らせてサービスだといい、ケーキを出して上がる準備を始めた。
逃げれないことを悟った私は観念して出されたケーキを口に運ぶ。
「…おいしい」
食べ終わる頃に、降谷さんがやってきてお会計は済ませたから行きましょうと笑顔でエスコートしてくる。
「……っ」
戸惑っているとダークブルーの瞳が、まるで夜の海みたいに私を飲み込もうとしてくる。
(……だめ、逃げられない)
私は素直に降谷さんにエスコートされ、彼の愛車が止まっている駐車場までついていく。
昔はよく乗っていた、RX-7。どうぞと助手席のドアを開けられ、渋々乗り込む。
私が乗ったのを確認すると、降谷さんは自分も乗り込み静かに車を発信させたのだった…。