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貴方と共に… 【DC:降谷零】

第2章 彼女の理由


「あ、あの…降谷さん。皆が脅えてますから殺気しまってください」
私が苦笑いで宥めると、周囲の隊員たちは一斉に目を潤ませた。

「「「……(華守さん、やっぱり天使……!!)」」」

その熱い視線がビシビシと刺さってくる。
これは、みんな疲れすぎて感覚がおかしくなってきてるよね…?
そんな事を思っていると、珍しく降谷さんに呼ばれた。

「華守。ちょっと来てくれ」

距離を置いてから、しばらくは話しかけられたり、呼ばれたりすることはあったが、それも時が経つにつれて、ここ最近は全くなくなっていた。

それが急に呼ばれたから、久しぶりで妙に緊張して力が入ってしまう。

「(平常心、平常心。彼は上司、それ以上でも以下でもないんだから)」

「はい、今行きます」

肩をすくめつつ資料を置き、降谷さんのあとに続いて廊下へ出る。
人気のないフロアの一角。よく作戦会議や秘密のブリーフィングに使われる部屋に入ると、彼は背を向けたまま扉を閉めた。

「……久しぶりだな」

「そうですね。一課の事件対応でバタバタしてて顔を出せずにすみません」

(ん?まって。そんなことを言うために、ここに呼んだの?)

「……いや、謝らなくていい。俺が勝手にお前を心配してただけだ」

「降谷さんみたいに、私は危ない組織に潜入しているわけではないので大丈夫で…」

全てを言い終わらないうちに、気づいたら私は降谷さんの腕の中にいた。

「へ?!ちょっと、降谷さん?!」
突然のことにジタバタと抵抗する私をさらに強く抱き締め、降谷さんは耳元で囁く。そうやって私の心を彼は昔からザワつかせる。

「華守…いや、陽菜。お前はなんで俺から離れたんだ…なんで何もいってくれない…」

「…っ。降谷さん…」

ずるい。
私は貴方の足でまといになりたくなくて、この2年間必死で距離を置いてきた。
なのに、貴方はこんなにも簡単に私の2年間の努力を、無かったことにしようとしてくる…。
久しぶりに感じた彼の温もりに昔のように戻りたいと思ってしまう。


コンコン。

タイミングよくなった、ノックの音に彼から急いで離れて返事をする。
「はい!」

「風見です。お取り込み中すみませんが少々急ぎの案件がありまして…」
風見さんを招き入れ、私は降谷さんに何も言わず逃げるように部屋を後にした。
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