第1章 降谷零と彼女
「…ということがあり、私は降谷さんと距離をら置くようになったんです」
「なるほど…。そのこと降谷さんはしってるんですか?」
風見は知っている。降谷零という男がどれほど彼女を思っているのか…。大切におもっているのかを…。
「多分、知らないと思います。言ったら、彼は優しいからそんなの気にするなって言うと思いますし…私は影ながら彼を支えられればそれでいいんですよ」
「そうですか…。華守さんは強いですね」
「そんなことないです。強いなら彼の横に立っていられたはずですから…」
そう。逃げずに彼の横に今でもいられた。
「あ!そろそろつきますね。話を聞いて頂きありがとうございました」
「い、いえ!自分が言い出したことなので、自分こそありがとうございました」
お互いお礼を言い合ったのが面白くなり2人で笑い合った。
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華守と風見が帰ったあと、倉庫を後にし愛車にのりながら降谷零は考えていた。
いつからだっただろうか…。
陽菜が俺から距離を置くようになったのは。
今まで、たまに喧嘩することもあった。
最初は俺が何かしたのかと思い、理由を聞いたが、何も無い…の一点張り…。
風見に聞いても知らないという。
次第に俺も忙しくなり、陽菜と会うことも少なくなっていった。
たまに、顔を合わせても必要最低限しか話さなくなり、いつしか呼び方も“降谷さん“と“華守”になってしまった。
初めて彼女を見た時、なんて可愛らしく笑う子なんだと思った。俗に言う“一目惚れ”と言うやつだ。
それから彼女と沢山の時を過ごし、同じ志をもった警察官になった。
「陽菜が好きでたまらないんだ…なんて、1人で呟く俺は重症だな」
今日彼女を失うかもしれないと怖くて仕方なかった。
改めて、陽菜が大切な存在で自分になくてはならない存在だと再試認識させられた。
「陽菜…お前が嫌がっても離さないから、明日から覚悟しておけよ」
なんてキザすぎる言葉を言う俺は本当にかなりの重症だと我ながら笑ってしまう。
明日からどうやって、昔のように彼女を振り向かせるかを考えながら降谷零は久しぶりに帰路につくのだった。