第7章 体育会系の先輩
「先輩のこと、ずっと好きでした」
バイト終わりの制服姿で、飲み物片手に座ってる彼に告白すると、数秒の沈黙。
「……可愛いな、おまえ」
独り言のように言ったあと、先輩は困ったように目を逸らした。
「でもな、付き合うとか、今は考えてなくてさ……悪い」
わたしは笑顔を作ろうとしたけど、目からは先に涙がこぼれ落ちてしまった。
「ごめんってば。マジで泣かすつもりじゃなかったのに」
少し焦ったような声で近づいてきた彼は、一瞬間を置いたかと思うと、ゆっくりとわたしの顎を持ち上げて――そのまま、キスをした。
「……な?ちょっとくらい、嬉しかったってことで」
fin.