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夢のあとさき、恋のまにまに

第6章 『無邪気な年下系男子、藤堂平助』


新八さんと廊下を歩いていると、ぱたぱたと足音を立ててこちらに走ってくる気配がした。


「おーいっ!」

軽やかな声とともに飛び出してきたのは、どこか少年っぽさを残した青年だった。

目元がぱっちりとしていて、笑顔が子犬みたいにまぶしい。


「君がももかちゃん!?本当に未来から来たんだね、すごい……!」

目を輝かせながら、わたしの手を握ってきた。

「わ、わっ……!」


「初めまして!俺、藤堂平助っていいます!よろしくね!」

あっけにとられるわたしの隣で、新八さんが肩をすくめた。

「ほらね、言った通りだろ? すぐ飛びつくんだ、こいつ」

「だって、だって……本当に面白い着物持ってる!わあ、この飾り、金色なんだね。裾もひらひらしてて可愛い……!」

「え、ちょ、ちょっと、近いです……!」

ぐいっと距離を詰めてくる平助くんを、新八さんが笑いながら引き離してくれる。

「おまえな、初対面の女の子にぐいぐい近づくな。ももかちゃんが引いてるぞ」

「ち、違う!引いてない!……たぶん!」

顔を真っ赤にして慌てる平助くんに、わたしもつられて少し笑ってしまった。

(この子、まっすぐすぎて……憎めない)


「ねぇ、またあとで俺の部屋に来てよ。未来の話、もっと聞きたいな」

内緒だよ、と耳元で囁かれたその言葉は、まるで友達みたいに無邪気で。

でも……心のどこかが、ふっと熱くなるような、そんな感覚が残った。

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